同名小説を原作に、1985年に起きた日航機墜落事故を追う地方新聞社の人間模様を描いた作品。

題材としては良い映画になりそうな話を扱っているのに、結果として話の焦点が定まらず、散漫な印象ばかりが残る勿体ない作品でした。
度々挿入される現代の山岳アタックシーンは1985年の緊張感ある話のテンションをぶった切ってしまっているし、いっそ無くても良いくらいに思った。
「日航機墜落事故を追う記者達の話」、で良いじゃない。
でもそれじゃ「クライマーズ・ハイ」とは言えないわけだけど。

想像するにきっと原作の要素をなるべく入れようとしたんだろうけど失敗したんだろうね。
主人公の家族の問題とか、社長の問題とか、現代の登山シーンなんて本筋と溶け合っていないもの。
極端に言えば、脚本として捌ききれないなら余計なサイドストーリーは足さない方がよっぽど良いと思う。

出演者は良いです。
主演の堤真一は無難なところだったかな。
特には脇でクセのあるキャラクターにケレンが出ていて面白かった。
個人的には遠藤健一、螢雪次郎、でんでんが良い感じ。
皆川猿時はちょっと作り過ぎじゃあ…？ｗ

堀部圭亮は前半に伏線ぽい視線を浴びせる役だったんで、後半に何かあるのかと思ったけど特に生かされもせず。
なんだか勿体ない。

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