シネつう!
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コードギアス
反逆のルルーシュV 皇道
2018年制作

満足度:

TVアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」の1期・2期「R2」の全50話を劇場版3部作として再構成した3作目。
神聖ブリタニア帝国に占領されエリア11と呼ばれる地域となった日本を舞台に、絶対遵守の力「ギアス」を手に入れた主人公が帝国へ反旗を翻す姿を描いたSFロボットアニメ。

TV版で言うところの2期17話〜25話を再構成した内容。
24話分を133分にまとめた前作と違って本作は9話分をまとめたものになっているわけだが、それを140分という時間でフルに尺を使っているのでダイジェスト感は全くない。
総集編ではあるけれど再構成が丁寧で、最終幕である「ゼロレクイエム」へのドラマチックな物語が魅力を削ぐことなく詰め込まれていて良かったな。
前作で2期の前半を端折りに端折った甲斐もあるというものですw
そのせいで本作の冒頭で登場した黎星刻には(劇場版全体で考えると)少し唐突感があったけれども…、それは仕方がないところかな。

TV版を観ている身とすれば、ルルーシュが世界の憎悪を背負って死ぬという結末は知っているわけで、彼がブリタニア皇帝になったりナナリーからダモクレスの鍵を奪ったりといった行動から透けて見える覚悟が良いな。
仮に結末を知らなければ彼の真意に気づかされる最終盤が殊更にドラマチックに感じられるだろうが、ルルーシュの表層的な行動と真意を上手く観客にミスリードしながら描いてるのは、改めて観てもよく出来ていると思ったね。

一応本作は「復活のルルーシュ」への橋渡し的な役目もあるのだと思うけれど、そういう意味では特に「シャーリーが生き残った」というTV版からの改変部分が気になるところではある。
シャーリーが死なないとルルーシュの覚悟が弱くなるという気もしなくはないが、勢いで観ていると(TV版を知らなければ)案外気にならないかな?
まあこの劇場版三部作は学園生活の場面をほとんどオミットしているので、どうしてもシャーリーの存在感は薄くなってしまうし、それならいっそ死別のドラマ自体も削って話を集中させようという判断だったのかもしれない。
エピローグではC.C.が「ジェレミアとシャーリーが〜」というセリフも言っているので、物語上、何らかの役目を背負ってはいそうだけど…。
そのあたりの真相が分かるのは新作までお預けですな。

少なくとも、ほとんどダイジェスト感もない形で「ゼロレクイエム」への物語を一本見事にまとめてくれたので、そのあたりは満足です。


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