シネつう!
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コードギアス
復活のルルーシュ
2019年制作

満足度:

劇場版3部作として公開された「コードギアス 反逆のルルーシュ」の続編。
「ゼロレクイエム」の2年後、難民キャンプを慰問していたナナリーとスザクが武装集団に拉致されてしまう。
一方そのころ、世界各地に残る“門”を訪ね歩いていたC.C.だったが、その傍らには死んだはずのルルーシュの姿があった。

ルルーシュが生きていることについて、どう捉えればよいか。
その点については複雑な気持ちではある。
彼が世界の憎悪をその一身に背負って死んだからこその物語だったはずなのに、「やっぱり生きてました」では「あの感動を返せ!」となってしまうよな。
監督もその辺は分かっているからこそ、「TV版の続きではなく、劇場版の続き」という言い方をしているのだろうけれど。

それはそうだとしても「ゼロレクイエム」は成ったのだ。
それでも生き返るというのであれば、それ相応の理由が描かれるのであろう…という期待はあったのだけど、正直…あっさりしていて拍子抜けはしたかなあ。
不死についての事や魂のミラーリングについての後付けはここまでくると受け入れるしかない気はするが、生き返らせた事自体はC.C.の「わがまま」だというのだ。
それなら仕方がない。
仕方がない…のか?
そんなモヤモヤが観ている間中ずっと残っていたというのは事実としてある。
でもそんなモヤモヤも、ラストのC.C.の笑顔を見たらどうでもよくなっちゃったよねw
前作まではルルーシュが日本や世界やナナリーを救う話だったのだとすれば、今作はC.C.とシャーリーを救う話だったという事なんだろう。
そう思うことにした。

さて、物語の構成としては113分という劇場サイズの尺にとてもテンポよく話が収まっているとは思う。
これまでの登場キャラが総出演しているし、それまでの敵同士が行動を共にしたりといった面白さもある。
2年後の話なのでそれぞれのキャラクターのその後の生活が垣間見えるところも面白いが、そういう意味ではものすごく同窓会チックな雰囲気が強く、ファン向けのお祭り映画の様相とでも言った感じかな。
それでも「ああこれは『コードギアス』だ」と思えるのは、やはり復活したルルーシュの戦略家としてのカリスマ性がちゃんと伝わってくることや、その上を行く敵のギアスの能力をさらに計略で再逆転するといった頭脳戦を見せられるからだろう。

敵のギアスは死んだら6時間前の自分にその記憶が移動するという力だけど、まあ確かにこれならルルーシュの裏をかくことはできるわ。
でもどこかで聞いた様な能力だよなあ…と思ったら、これって「オール・ユー・ニード・イズ・キル」か。
しかし普通は第三者が気づけるはずもないその能力すらも、ブラフを駆使して把握し、対処してしまうルルーシュはさすがというかなんというかw

俺自身はこの作品を蛇足だと思っている。
それでも「コードギアス」としての面白さは詰まっていたし、楽しんで観られたのです。
そして、なんだかんだ言っても、やっぱりルルーシュというキャラがあっての「コードギアス」だよなあと再確認してしまったのであります。


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