シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版 ガンダム GのレコンギスタT
「行け!コア・ファイター」
2019年制作

満足度:

2014年に放送されたTVアニメを再編集した劇場版。
全5部作の第1作は、TV版(全26話)の第1話〜第5話を描く。

TV放送から5年も経ってからの劇場版だけど、総集編のようでもあるものの、TV版をもっとブラッシュアップしたいという富野御大の意志もヒシヒシと感じる再編集版ともなっている感じ。
(逆にOPとEDは演出が劇場版とは思えぬ淡泊さでちと笑ってしまったが。)
TV版は放送当時に観ていたけど、各話間どころかカット間でも状況変化がかなり駆け足な印象の作品で、「これ26話じゃなくて50話くらいかけて描いた方が良いような設定や展開をぶち込んでないか?」と思ったのを覚えている。
そういう意味では、元がそんな状態なのにそれを纏めるにしても3部作だと尺的に厳しいだろうから、結果的に5部作としたのも「物語をきっちりと描きたい」という意思の表れだろうと思うのです。

が、やはり劇場版となってもやはり駆け足感はいかんともしがたかった(苦笑)
特に冒頭部分はかなりのもので、作品世界の世界観の説明も人物の説明描写もほとんどなし。
観客をポンと状況の中に放り込んで「見て感じろ」と言わんばかりの展開の連続。
まあ今となってはそれが「Gレコ」の味とえばそうかもしれないとは思いつつ、やっぱりちょっと突き放しすぎな気がしなくもないかな。

とはいえクセになりそうなセリフ回しの数々や、それぞれにキャラが立っている人物たちに感じる魅力は否定できない。
特に第1部である本作はアイーダの心情がよりクロースアップされる内容で、恋人を殺した主人公・ベルリに対する複雑な感情が物語に起伏を付ける。
冒頭で話を理解するのに戸惑っていたことなどは後半を観る頃には忘れてしまっているあたりも、富野御大の作劇方法にまんまと乗せられてしまっている様な気もするわけで、やっぱり嫌いにはなれないのです、この「Gレコ」は。


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