シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版 ガンダム GのレコンギスタV
「宇宙からの遺産」
2021年制作

満足度:

2014年に放送されたTVアニメを再編集した劇場版。
全5部作の第3作は、TV版(全26話)の第12話〜第18話を描く。

前々作は5話分で前作は6話分、そして今作は7話分の総集編ということで、だんだん話の集約率が高くなってきております。
元々が地球側の複数勢力の思惑が入り乱れた話だったのに、さら月側の勢力としてトワサンガも新たに加わってくるもんだから、もうこれは頭の中に相関図のある人しかついてこれませんよ(苦笑)
敵がずっと敵であればまだ話も分かりやすいのだけど、その時々の事情で勢力が敵になったり協力したりすることが多いのがまた状況理解を困難にさせるところはあるかな。
とは言え“組織間の思惑”としてはこれくらい入り乱れる方が生々しいというか、ある意味でリアルなのかなとも思うのだけど、あまりにも幕間の描写がそぎ落とされている上に同時に勢力の状況が進行するので観る側としては「超絶的にテンポが早い!」と感じてしまう。
まあここまでくると「それこそがGレコの作風」と思えてくるのだから、すっかり富野御大の掌の上という気もしなくはないがw
アバンなしのオープニングにしても、話の余韻よりもダンス!といったエンディングにしても、とにかくある意味で超ストイックな作品だよなあ。

TV版に対して追加された場面では、主人公ベルリとアイーダが出生の秘密について思うところを吐き出す場面がなかなかいい。
想い人が実は姉だったなんてのは出来すぎな展開ではあるけれど、それを受けてベルリが一人で感情を吐き出すのはTV版よりも良い感じだな。
ノレドのアイーダに対する「勝ったと思った」という心情も人間らしいところだよねえ。
主人公をめぐる情勢の描写はテンポが速すぎだけど、こういうキャラクターの感情面で押さえるところをちゃんと押さえているからニクめない。


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