シネつう!
JAPAN STYLE !!

ギャラクシー街道
2015年制作

満足度:

スペース幹線道路“ギャラクシー街道”沿いのハンバーガーショップで繰り広げられる騒動を描いた、三谷幸喜監督ののコメディ映画。

とある場所に集まった人々の群像劇は三谷幸喜作品ではよくある設定であるし、監督にとっても手慣れたものであるはずだが…。
どうもこの作品はいまいち面白くない。
何が悪いんだろうと考えたけれど…、例えば導入部が弱い…というかテンポが悪い。
冒頭こそ「奥さまは魔女」風味のアニメーションでノリよく始まったはずが、不機嫌な香取信吾と物憂げな綾瀬はるかのやり取りで陰鬱。
微妙な下ネタの数々に、停電や語り手の伏線がイマイチ上滑り。
遠藤憲一の“出産(産卵?)”で大体の登場人物を絡ませてはいるものの、取ってつけた様な歯医者や昆布の実体化はさすがに才能が枯れたんじゃないか、大丈夫なのかと心配になってきた。
ちょっと言い過ぎた気もするが、少なくとも登場人物の誰もかれもに感情移入しにくく、個人的には気持ちのいい話ではなかったな。

唯一、(ポジション的な意味で)道化役になった小栗旬だけは観ていて面白かったし笑えたけれど、この映画はそれだけ。
あ、リアルに道化役(浅野和之)のパントマイムは結構うまかったw

そもそも笑わせるためのネタが、“地球人の常識が通用しない”という異文化ギャップを狙ったものであるのだけれど、この映画は異星人の性質を台詞で説明しているところ目立つ気がする。
大方は梶原善が演じる異星人が説明するわけだけど、笑いのネタ振りに説明を要するという時点でコメディとしてはテンポが落ちちゃっているのでは。
かと言って「これは地球人とは違うんですよ」ということを観客には分からせないといけない訳で、もうその時点でジレンマに陥っているような話だと思ったり。
だから名前や容姿では想像のつかない生態を見せる宇宙人には面白みを感じず、“キャプテンソックス”が靴下を直すという直感的なネタには笑ってしまうんだろう。

でももはやこれは映画というよりはコントだよね、と思った次第。


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