シネつう!
JAPAN STYLE !!

ガメラ
大怪獣空中決戦
1995年制作

満足度:

太平洋を漂流する謎の環礁が現れ、時を同じくして長崎の離島に島民を襲撃する怪鳥が出現した。
古代から目覚めたそれらガメラとギャオスの宿命の戦いが始まる。

昭和ガメラの最終作となった「宇宙怪獣ガメラ」から15年後に上映された本作は、あのひどい前作(w)からは想像もつかないような見事なブラッシュアップによってシリーズが生き返った。
設定を含めて完全にリブートしたことが効いているとは思うけど、怪獣を生物や災害的にとらえつつフィクションなりのリアリティを無視していないところが魅力なのだと思う。
その上で「ガメラは人間の味方」という昭和のエッセンスの残しているし、それでも決して子供だましの怪獣映画に落とさなかったバランス感覚がほんとに見事だわ。
伊藤和典のテンポ重視の脚本と、樋口真嗣のセンスが炸裂した特撮、そして大谷幸の劇判の迫力があってこその作品だってのは間違いないね。
それらが見事に融合して生み出した金子修介監督のこの怪獣映画は、公開当時中高生に自分に「(vsシリーズも終盤に入っていた)ゴジラより面白いじゃないか!」と思わせるには十分な怪獣映画の傑作だった。

大人になってから見返しても惹かれるのは、やっぱりその特撮のセンスだなあ。
CGによるVFXの黎明期というのもあるだろうけど、CGよりもミニチュアや着ぐるみによるオーソドックスな特撮がメインだというところが今や味になっているよね。
(火球やミサイルなどの一部のシーンはVFXも使っている)
それでい徹底的に人の目線の高さにこだわっている節も見受けられ、そこが当時の「ゴジラ」シリーズと違った迫力を出しているし、特撮で出来る最大の効果というものを追及しているようにも思えるところが観ていて気持ちいいのです。

正直言えば脚本にご都合主義なところもあるけど、そこを話の勢いでねじ伏せられて…観ている間はそんなに引っかからない。
ガメラがまっすぐ福岡ドームに向かう序盤なんて、監督自身が「なぜガメラが福岡ドームを目指すか、実は説明していない」と言うくらいなんだけど、確かに気にならないんだよな。
そういうのがハッタリの上手さってやつなんだろうw


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