シネつう!
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ガメラ2
レギオン襲来
1996年制作

満足度:

宇宙から飛来した謎の流星が北海道に落下。
その後、巨大な甲殻類の様な怪物の目撃、通信障害が起き、そして札幌に巨大な花が出現する。

平成ガメラシリーズの第2作目。
前作から1年後に公開された本作は、前作とは違って昭和ガメラシリーズにはいなかった新たな怪獣・レギオンが登場。
このレギオンの造形が良いよなあ、一目見て「こいつは意思疎通のできない敵だ!」と分かるものw
カニや虫の様な多脚のデザインやその脚で歩く描写については、この前年に公開された「ゴジラvsデストロイア」の小型デストロイアが偶然にも似たような感じになっていたけど、正直動きの描写に関しては小型レギオンの方が段違いに上手かった。
どっちが上だ下だと言うのはナンセンスかもしれないけど、当時高校生だった自分は、子供心に正直「もはやゴジラよりガメラの方が特撮としては上」と思った記憶があります。
それくらい、当時「平成ガメラ」シリーズの特撮センスには圧倒されたんだよね。

前作と同様に、とにかく人間の視点の高さにこだわったショットが効果を発揮していて素晴らしい。
見慣れた街や看板の向こうに現れた巨大怪獣を人間目線から見上げる。
崩れそうな向かいのビルの中で右往左往する人の姿を見る。
そういった普段見る光景からの地続きで映し出すからこそ、非日常さが際立つわけだ。
窓の外を戦車が通っていくシーンだってそういう日常と非日常との橋渡しの効果があるよなあ。
まあこの戦車のシーン自体は'93年の「機動警察パトレイバー2 the Movie」に影響を受けてそうだけども。
(本作の脚本は「パト2」でも担当していた伊藤和典。)

ストーリーは怪獣に対応する自衛隊の活躍メインに描かれていて、出動に関する手続きなども(後年の「シン・ゴジラ」ほどではないにせよ)割とリアリスティックに寄せているのがいい感じ。
一般的に怪獣に対しては無力と描かれがちな通常兵器だけど、小型や羽レギオンに対してある程度対抗して活躍していることもあって、本作の自衛隊は特に頼もしい感じで格好いいよねえ。
「火力をレギオンの頭部に集中しガメラを援護せよ!」のセリフは熱いわ。

一方で、映画の終盤でガメラは大技“ウルティメイト・プラズマ”を放ってレギオンを倒すけど、さすがに腹がパカッと開く描写はちょっとどうなんだろうとは思ったかも。
一応「火を吐く巨大生物」というのがガメラのアイデンティティみたいなものだと思っていたから、究極奥義としては分かりやすいとはいえ、腹から出されるとなんか生物の枠を外れてしまったようで正直違和感が…w
それでも、全体的にはそんなことが気にならないくらい楽しめたし、特撮怪獣映画としては間違いなく最高峰に位置する作品だと思っています。


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