シネつう!
JAPAN STYLE !!

ガメラ対宇宙怪獣バイラス
1968年制作

満足度:

ガメラシリーズの第4作。
地球侵略を企むバイラス人が飛来するが、彼らにとってガメラはその侵略の最大の障害であった。

全体的には予算がなかったんだろうなあというのが如実に伝わってくる作りだよね。
ロケ地は海岸沿いの似たようなところが中心だし、宇宙船のセットも安っぽい。
極めつけはガメラが暴れるシーンで過去作のバンクを使いだしたところかなあ、新規で特撮シーンを撮るのも憚られたのだろうけど。
でも、制限の中でなんとかしてやろうという工夫の表れとも言える。
本作には72分のオリジナル版の他に90分の海外輸出版と81分の再編集版があって、今回観たのは81分版だったのだけど、オリジナルに対して9分の水増し箇所はどこだったのだろうか。
おそらく「ガメラの生い立ち」と称して過去フッテージから流用してた部分かな?とは考えてるけど、その部分の「対バルゴン」からの怪獣バトルの流用は本当に「長い」と感じてしまうくらい長かった(苦笑)

本作からは完全に子供向けの内容にシフト。
主演は前作・前々作から引き続き出演の本郷功次郎がその扱いだろうけど、内容的にはボーイスカウトの少年二人が主人公。
いたずら好きで、潜航艇で冒険(?)したり、宇宙人の人質になっても機転を利かせて活躍したり…と、観客の子供が感情移入しやすいようになっているのだと思う。
作中では「ガメラは子供の味方だ」って言いきっていて完全にヒーロー化しているし、ここへきて「昭和ガメラ」としてのキャラクターが成立した感はある。
大人の目から観ると…いろいろな安っぽさがキツい面もあるけれど、子供向けのヒーローに振り切った開き直りは「ガメラ」というキャラクターとしてのアイデンティティになっていくわけだから、あながち間違いではないのだろう。

侵略宇宙人のバイラス人は見た目がイカ。
着ぐるみ感丸出しだけど、まあそこはご愛敬。
宇宙船の中ではなぜか人の姿をしている(拉致した人間の皮を宇宙服の代わりに着ているらしい)けど、暗闇で目が光っている演出は悪くない。
本作は自分も幼少の頃にTV放送で観た記憶があるのだけど、細かい話は憶えていないのに、なぜか光る目と終盤でバイラスの部下たちの首がはねられるシーンは凄く印象に残っていたなあ。
印象に残るといえば、潜水艇に乗った少年たちがガメラと海中で並走するシーンもなんか憶えてた。
主題歌の「ガメラのマーチ」もキャッチーだよね。
きっと子供心にワクワクしたりビックリしていたのだろう、そういう意味では子供向け作品として成功しているのかなとは思う。

さてガメラ映画お約束、本作の流血シーンはガメラの串刺しでありました。
これはさすがに致命傷だろう…という部分にバイラスが突き刺さっていたが、ガメラはそれでも大丈夫らしい。
強いなあw


もどる(「ガメラ」シリーズ)

当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01