シネつう!
JAPAN STYLE !!

ガメラ対深海怪獣ジグラ
1971年制作

満足度:

ガメラシリーズの第7作。
地球を侵略するために飛来したジグラ星人。
鴨川シーワールドにある国際海洋研究所の科学者・洋介とトムはその子供たちとともに誘拐されてしまうが…。

冒頭に人類の宇宙進出についてのナレーションがあり、月面基地が謎の円盤に攻撃されたのに続いて表示されたタイトルが「〜対深海怪獣ジグラ」。
えっ宇宙怪獣じゃないんだ。
って思ってしまいますが、まあ全体的にいいかげんというか…よく言えばおおらかというか、そんな作品だわな。
メインの人物の一人であるトムなんて日本人(藤山浩二)が演じてるし。
さすがにガメラが海中で火を噴いたときは苦笑いを通り越して普通に笑ってしまったw
ジグラ星人の人工地震攻撃でマグニチュード12とか13とかって数字もでてくるけど、「すごいつよい地震」以外の意味を持たないわけで、良いか悪いかは別にして考証の正しさより子供に直感的にわからせる方を選んでいるのだろう。
(M12レベルだとエネルギーにしてTNT換算で15兆tだから…、実際には東京壊滅どころか地球が割れる…(苦笑))

テーマとして海洋汚染などの公害問題が背景に描かれているのは、当時の世相を反映している感じかな。
「ジグラ星人が狙ってくるような地球の海をきれいなまま守っていかなければね」というまとめで映画も終わるけど、ちょっととってつけた感はあるものの悪いテーマではないだろう。
ただ公害問題を取り上げた作品としては、怪獣映画にも同年公開された「ゴジラ対ヘドラ」という強烈な作品があるので、それと比べられては内容的にも作品の完成度としてもまるで歯が立たないが。

舞台はタイアップした鴨川シーワールドで大半の話が進む。
ジグラ星人に操られた女と少年少女の安っぽい追いかけっこはシーワールドの館内を描写するための展開だろうけど、さすがにどうかなあ。
子役の演技もやっぱり棒だし…。
でも当時のお子さんたちはハラハラしたのだろうか。
本作は今までのシリーズにはなかったセクシー路線のサービスで女のビキニ姿が強調されたりするけど、話の流れにはほとんど必要性がないのでちょっと面食らった。
そういうのは個人的には子供向けの怪獣映画ならいらない派です。
まあ(誰を?)楽しませるために色々試行錯誤しているということなんだろうけど、そっちに力を入れるくらいなら、もう少しウソならウソなりでもいいので子供向けの科学考証をしっかりしてほしい気もする。

本作の怪獣ジグラは魚型なので海中ではめっぽう強い。
昼日中の陸に上がっても戦えるくせに潜航艇の光に弱いというのはよく分からないけど、まあそういうもんなんだろう。
ラストでガメラの火炎放射で丸焼けにされて消し炭になってしまったけど、それなりに知能があったのだから侵略じゃなくて共存の道を選んでいればそんな最期は迎えなかっただろうに…とも思ったり。
まあそれではお話になりませんがw


もどる(「ガメラ」シリーズ)

当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01