シネつう!
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鬼太郎誕生
ゲゲゲの謎
2023年制作

満足度:

ゲゲゲの鬼太郎の生まれる前。
人間の水木と鬼太郎の父が、ある山奥の村で目にした事件を描いたアニメ映画。

設定的にはTVアニメの6期の鬼太郎に繋がる話ですね。
俺自身はTV版3期を観て育った世代で6期は観てなかったのだけど、そこは問題なし。
鬼太郎の誕生については原作本を読んだこともあるし、TVアニメの「墓場鬼太郎」でも知っている部分だけれど、本作はそれより前の部分をオリジナルの話として膨らませた感じになってます。
売血絡みの話を血液製剤の設定にしたり、原作を思わせる要素もチラホラとは残ってるかな。

冒頭はTVアニメ6期の時代で始まるものの、記者がある廃村についたところから一気に昭和31年まで話が遡る。
そのかつてあった「哭倉村」の様子は、名家の人間関係とか村の因習とか「この雰囲気でやるならいい感じのドロドロ加減だな」と期待をさせるにも十分な感じ。
実際、最初に水木が屋敷内で一族と面会する場面は「犬神家の一族」を連想させる横溝正史の作品のような雰囲気もあってなかなか興味深かった。
大人目線で行くと、この「いい感じのミステリー調」のテイストを貫いてほしかったとは思うものの、連続死の犯人の種明かしはあっさりだったし、終盤はややバトル多めの展開にもなるので「ああこの辺はやっぱり子供向けアニメの方向性も入っちゃうか」と思ったのが正直なところ。
まああくまで「ゲゲゲの鬼太郎」なのだから、それ自体は間違ってはいないけどね。

鬼太郎の父はまだ目玉のおやじになる前の姿で、等身の高い鬼太郎と行った雰囲気。
関俊彦の飄々とした声の演じ方はキャラクターにマッチしていたように思う。
水木役の木内秀信も主役&相棒としていいコンビの雰囲気を出していたかな。
個人的には黒幕の時貞翁はもう少しドスの利いた声のほうがあっていたような気がするのだけど、ちょっと圧が薄かったのでなんか小物感の方を強く感じてしまった。
まあ実際人間的には小物みたいなものなのかもしれないけれど。

基本的にオリジナルの話とはいえ、過去編なので最終的には鬼太郎が生まれるところまで繋がらないといけない。
その点はエンドクレジットで一気に回収してきたけど、この流れだと続きで「墓場鬼太郎」の方を観たくなっちゃいますねw


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