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士郎正宗の原作マンガをベースに、いかにも押井守的なアレンジの際立つ作品。
世界観や演出などが「マトリックス」の元ネタになっているのは有名な話ですね。
ストーリーは原作の「人形使い」に沿っているけど、核になっているのは主人公・草薙素子の自分探し。
いや、自分探しというか、ほぼ全身義体(サイボーグ)化した者にとっての自身の存在の証明。
ゴースト(魂)の話ですか。
テーマ自体はよく聞く話ではあるけど、ただ、押井監督独特の演出がこの物語に深みを与えていると思う。
ほぼ機械化したことで自分の人格が“模擬”ではないと言い切れない主人公の不安と、「私は情報の海から生まれた生命体だ」と言い放つ人形使い。
この対比は、終盤に人形使いが「我々は似たもの同士だ」と言うことからも、もはやその生命としての境界線が曖昧な事を物語ってるね。
“自分”を形成する者は何なのか…。
そういう哲学的な一面もありつつ、草薙とバトーの微妙なラブストーリーも見逃せません。
惚れてるのは見え見えなのに、直球勝負出来ないバトー。
「いたけりゃ、ずっとここにいてもいいんだぜ」なんて、いかにもバトーらしい台詞ですねw
そして草薙と人形使いとバトーの三角関係。
なんともはや。
俺はバトーみたいなヤツは好きですw
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