シネつう!
JAPAN STYLE !!

銀魂2
掟は破るためにこそある
2018年制作

満足度:

空知英秋原作の同名漫画の実写版。
前作の大ヒットを受けて制作された第2弾。

何でもありの世界観なので本作も何でもありのドタバタ劇が繰り広げられるけど、映画というよりはコントという雰囲気も変わりはない感じ。
原作漫画の将軍接待編と真選組動乱篇を軸に構成しているという事で、本作は真選組、特に土方十四郎(柳楽優弥)がストーリーの中心かな。
将軍接待編のバカみたいなコントは笑える場面も多かったけど、キャバクラ店長役の佐藤二朗の見せ場が正直くどい(苦笑)。
監督、佐藤二朗と仲が良いのも分かるし現場でもウケてたのかもしれないけど、映画のペース的にはもうちょっとテンポ早い方が好みだったな。
松平片栗虎(堤真一)のシーンもいちいち間延びしていたような気もするんだけど、どうなのだろう。
そのくせ終盤の江戸城内での河上万斉との対決では場面転換が端折られている様なカットもあって、気になるなあ…。

元々がコスプレのコントに見えるので、シリアスになるとそこが浮いてくるのがこの手の作品の難点。
前作でもまだ壁があったけど、そこは本作でもあまり変わらなかった印象です。
終盤の列車と車のチェイスなど、「マッドマックス 怒りのデスロード」へのオマージュのような部分で逆にチャチさの方が目立ってしまって個人的にはちょっと厳しいかも。
そこを茶化すくらいの皮肉や勢いがあればいいのだが、あまりそういう安っぽさをメタ的に茶化すことが無かったのは残念。

本当はこういうパロディシーンって、本物に近ければ近いほど面白いと思うんだけどね。
エヴァンゲリオンのパロディーシーンももっと寄せることも出来ただろうに、あえてハリボテ感や安いCG感にしてたのは…。
うーん、俺の感覚がちょっとズレているんだろうか?
「勇者ヨシヒコ」は“安い”という事自体がギャグだから良かったけれど、本作では“全力のバカ”を見たかったのです。
その点、桂とエリザベスがコメディリリーフとして良いタイミングで登場していたので、もうちょっとそういう笑いがたくさん入っていればさらに楽しめたかもしれないとは思った次第。

土方を演じる柳楽優弥はヘタレオタクになった場面では声色も変えて頑張っていたねえ。
ただ普段とのギャップがギャグの根幹なので、“通常の土方”という前振りがこの映画内だけだと少し弱い気もした。
ここは映画以外の部分でも、土方がどういうキャラかというのを知っている前提で観た方が良いところなのかな。

一方、ゴリラ…もとい真選組局長の近藤勲は中村勘九郎の熱量でとても説得力のある雰囲気が出ていたと思う。
そこはさすがだなあと思った次第。


もどる(カ行)

当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01