特撮ヒーロー「電光超人グリッドマン」を原作にしたTVアニメ「SSSS.GRIDMAN」と「SSSS.DYNAZENON」のクロスオーバー作品。
高校２年に進級した主人公のたち響裕太は、ある日この世界からいなくなったはずの怪獣の襲撃を受ける。

TVアニメ２作品の続編としての劇場版ですね。
もともとこのTVアニメ２作品は「GRIDMAN UNIVERSE」として世界観がどこかで繋がっているのであろうという前提で観ていたけど、TV版の２作品の間では密接なストーリー上の絡みはなかったし、物語としても個々に独立している印象だったかな。
なのでクロスオーバーするにしても「どうくっつけるのだろう？」というのが気になっていたのだけど、結局のところは本作の物語的な主体を「SSSS.GRIDMAN」にして、その世界に「SSSS.DYNAZENON」のメンバーがやってくる展開にしてましたね。
そのマルチバースを越えてキャラクターがやってくる要因を「GRIDMAN UNIVERSE」という"現象"で纏めてしまうあたりが、「強引だなあ」と思うと同時に、「この世界観だったらありだわな」と納得させられてしまう上手さも感じるところではありました。

マルチバースを越えられるなら、TV版のラストで現実世界に行った新条アカネだって登場させられる。
「その世界を作ったのは誰か」という、この世界観における重要な部分も巻き込んで物語のテンションを上げていく終盤の展開はなかなか良かったな。
一方で話としては六花の兄貴の登場が裕太を惑わせるだけで取ってつけた様に感じたし、これみよがしにチラッと登場したバイク乗りの青年（声：小尾昌也※「電光超人グリッドマン」の主演）もこれまた唐突に感じたので、そういった部分の流れはちょっと気になったかも。
「SSSS.DYNAZENON」側の活躍もやっぱりゲスト的な印象のほうが強かったので、そこはもう少し本筋にガッツリというか、そちらにも裕太の告白の対になる感じの何か話を引っ張るドラマがあっても良かったかなあとは思ったりした。
まあそれでもピンチのシーンで蓬が「インスタンス・ドミネーション」を発動したシーンは熱かったし、お祭り映画ならではの「SSSS.GRIDMAN」「SSSS.DYNAZENON」両陣営の絡み自体は大いに楽しみましたよ。
学園祭間近という日常の雰囲気と、怪獣が襲来する非日常の騒動が交錯していく描写も良かったしね。

それにしても終盤の畳み掛ける様にインフレしていくバトルの展開には、正直もうお腹いっぱいになりましたｗ
まさかアレクシス・ケリヴにまで見せ場をてんこ盛りにしてくれるなんて、そういうところのサービス精神はほんと良いですねー。
２代目の変身も笑ったなあｗ
TVアニメを観た身としては、なんだかんだでこのお祭り映画を楽めたし、可能ならばこの世界観の続きをまた観たいと思えるものにはなっていたと思います。

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