シネつう!
JAPAN STYLE !!

機動戦士ガンダム
1981年制作

満足度:

1979年から1980年にかけて放送されたTVアニメ「機動戦士ガンダム」の、第1話から第14話前半を再構成した総集編の第1作。

今や説明不要な存在となったロボットアニメシリーズの劇場版第一作。
一応TVシリーズの総集編ではあるけど、ブツ切りにはならない形でとても上手くまとめられてあるのでダイジェスト感がほとんどない。
ただ14話分を一つの流れで観た時に話の大半が戦闘シーンになってしまっている気もするのだけど、まあそもそも戦闘シーンがあってこそのロボットアニメという元々のスタイルを考えれば、まとめた時に必然的にそうなってしまうのは仕方がないか。
とはいえ、そういった戦闘の背後にある“戦争に運命を翻弄される若者たち”というテーマにブレがないので、時を経てもなおこの物語が普遍的なものとして観る者を魅了するというのもよく分かる。

アニメーションとしてはとくにメカ描写に関して古めかしい部分もあるものの、絵の横移動や回転やズームイン・アウトを駆使して動きを出そうとしているのを見るのは面白い。
劇場版ということでもし潤沢に作画枚数を使えるのであればそれにこしたこともないだろうけど、TVアニメの予算制約の中でどのように動画を節約しながら動きをつけてきたのかというのも工夫であるし、それもアニメーション技法の魅力の一つだよね。
それでいてキメるところではきっちり動かしてキメているわけで、そのあたりはやはり演出のセンスも感じる。
いわゆる名場面として記憶されるシーンは多いわけだし。

名場面と言えば、合わせて記憶される名台詞の数々も本作には多々入っているけれど、なぜこれほど個々のセリフ回しに魅力を感じてしまうのか…不思議だ。

本作はギレン総帥の演説で締めくくられる。
銀河万丈の声のオーラとも相まって、ジオンとの戦いが苛烈になっていくであろう予感が強化されていく。
3部作の1作目として、ここで話を区切るという部分にも作劇のセンスを感じるところです。


もどる(カ行)

当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01