シネつう!
JAPAN STYLE !!

機動戦士ガンダムUC
episode 1 ユニコーンの日
2010年制作

満足度:

福井晴敏の同名小説を原作にしたOVA。
「逆襲のシャア」の3年後、地球連邦を滅ぼすとされる"ラプラスの箱"を巡る物語。
劇場では2週間の限定公開という形で全国数館で上映された。

原作の福井晴敏が「機動戦士ガンダム」に思い入れがあるということがありありと分かるし、"宇宙世紀"や"ニュータイプ"について逃げずに真っ向勝負で描いたところは、"ファースト"ファンも納得の出来ではないかなと思う。
ただ原作から比べると、序盤の展開などはかなり端折られているので駆け足な印象は強い。
主人公のバナージがヒロインのオードリーを連れてカタツムリ(コロニー建造ブロック)へ向かう過程は一度別行動になる段階をすっ飛ばしてるもんな。

でも逆にそれによって、60分という上映時間を効率よく使えているし、観ている方もテンポ良く感じるからね。
良い纏め方だと思う。

OVA用の作品ではあるけど、映像については劇場で上映しても遜色ないくらいのクォリティで作られている。
背景美術の細かさも良いけれど、手書きモビルスーツのアクションが素晴らしいね。
序盤のクシャトリヤvsスターク・ジェガンでいきなり心を鷲掴みにされるわけですが、ひたすらカッコイイ!(澤野弘之の劇伴がまたそれを盛り上げるのだが。)
ファンネルの動き、AMBACの描写、クシャトリヤの質量、そしてモノアイがグポーンと光る効果音が良いw
メカをCGで描いてしまう傾向があった最近のガンダム作品の流れの中で、あえて手書きモビルスーツにこだわってくれたのはうれしいです。
やはりあの妙な生々しさは、まだCGモビルスーツでは表現しきれていないと思うし…。
(※:ユニコーンの変身やガランシェールなどはCGで描かれているので、すべてのメカが手書きというわけではない。)

そしてキャラクターはデザイン原案が安彦良和。
やっぱりこれが作風として大きい部分だけど、出てくるオッサンたちがみんな渋いのもこの作品の魅力だよね。
劇中にはニュータイプ論についてオッサンのみ5〜6人で会話するシーンもあるくらいだし。
主人公のバナージはまだ青臭いので、こういった脇の大人たちがしっかり"大人"をしているところが良いと思うのです。

さて、ストーリーとしてはまだまだ序盤で顔見せ程度。
肝心のユニコーンが起動するのも最終盤で、クシャトリヤ戦の最中に変身し、続きはepisode 2へ…。
この話の引き方では続きを観ざるを得ない。
ずるいw

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