シネつう!
JAPAN STYLE !!

機動戦士ガンダム
閃光のハサウェイ
2020年制作

満足度:

宇宙世紀0105、シャアの反乱から12年が経ち地球連邦政府の腐敗が進行する中で、反政府組織「マフティー」によるテロも行われていた。
そんな時勢のなか、ハサウェイ・ノアの搭乗した往還シャトルがテロリストによってハイジャックされる。

原作小説は未読。
未読なんだけどハサウェイの最期がどうなるのかは知っているので、いかなる経緯を辿ってその結末に至るのかについて興味津々で観ました。
とはいえ本作は劇場版としては3部作の1作目なので、まだ話としては序盤って感じだよね。
ハサウェイ、ギギ、ケネスの3人が出会うきっかけや、そこからの人間関係をメインに掘り下げていく内容で運命が交錯してくのはここから先っていう感じで本作は終わり。
続きが気になる!

人間関係については、やはりハサウェイが主人公であるという事もあるけど、特に彼が引きずっているクェスの件がギギに対する感情に大きく影響しているあたりの心理描写がよく出来ていると思ったね。
ハサウェイが見たクェスとギギがオーバーラップしているフラッシュバックの光景の描写なんてかなりゾクゾクしたなあ。
また、ギギに魅力を感じるか危なさを感じるかでハサウェイへの共感が大きくブレてしまうところだけど、そこも上手くキャラクター的な魅力を引き出していたと思う。

個人的にはモノローグを多用する心理描写は好きではないものの、本作に関してはハサウェイの主観的な物語として考えればむしろモノローグ自体はちゃんと意味のある効果を発揮しているので不満はない。
というか逆に「ガンダム」であればこそそういうモノローグが“らしさ”に繋がっている感じか。

モビルスーツ戦に感じては、「ああこれは劇場版だわ!」という納得のクオリティ。
モビルスーツの周囲を縦横無尽に動き回るカメラワークから、コクピット内の主観による空間先頭の表現、市街戦でのあおりによるモビルスーツ自体の巨大感など、もうほんと圧倒的なアクションじゃないか!
(エンドクレジットで絵コンテ担当に渡辺信一郎の名前を見つけ時には「そうか『マクロスプラス』か!」とテンション上がったけど、実際どの場面を担当したのかが気になるw)
ただ全体的に夜間戦闘が多かったので、暗くて分かりにくい場面もあったのは少々もったいない気はしたかな?
まあそこは劇場の環境にも左右されるところだとは思うけど。

とりあえず3部作の1作目にして、想定以上にクオリティが高かったので続きが楽しみになりましたよ。


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