シネつう!
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ゴジラ -1.0/C
2024年制作

満足度:

2023年に公開された「ゴジラ -1.0」のモノクロバージョン。

「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、オリジナル(カラー)版がまだ公開されている中でのモノクロ版の公開。
もちろん物語の内容は同じものなのだけど、それでも興味をそそられてしまうのは「作品としての質の高さ」と「作中の時代背景的に白黒映画の趣が合う」ところが大きいのでしょう。
実際に何度でも観てみたくなる作品だったオリジナル版のバージョン違いということなので、これを観逃さない手はありません。

実際に鑑賞してみると、想像以上にモノクロの世界が作風にあっていたようにも思います。
元々やや大仰な感じていた演技の部分は何故か自然に見えるようになり、VFXのリアルさは更に増していた気すらします。
ただただ色が白黒になっただけ(実際には画面の端を暗くしたり細かく調整されている)なのに不思議なものだけど、それで演技が自然に見えてしまうというのは、昔の邦画の味ってこういうところにあったのかなと逆に気付かされたのかも?
“演技の強さ+白黒=昔観た邦画の名作”というイメージが上手く合致したのかもしれませんね。
そんな感じでオリジナル版を観た時に感じたアクがいい意味で抜けて、とてもいい塩梅に感じるバージョンになっていました。

ただ、もったいないと感じる部分もあって。
ゴジラの背びれの青白い発光も色がなくなってしまうので、あの光が見えたときの絶望感が薄くなってしまう場面もあったんですよね。
いっそ「天国と地獄」みたいにそこだけ色をつけてしまうのもありだった?
と思わなくもなかったけど、まあそれはそれでバランスが崩れるか。
難しいところです。

少なくとも本作は全編モノクロということを選択したわけで、それ自体は成功と言える大変良いものになっていました。


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