シネつう!
JAPAN STYLE !!

海底軍艦
1963年制作

満足度:

地殻変動で海底に沈み、今再び地上を支配しようと目論むムー帝国。
日本は旧帝国海軍の生き残りが密かに建造した海底軍艦・轟天号によってムー帝国の侵略阻止に向かう。

東宝特撮映画としてはその特撮の出来映えから名作と言われている本作だけど、ずいぶんとお話がチープなのでいい大人が観るにはつらい。
一応、軍国主義的な思考に対する是非の様なものが見え隠れはするけど、考えさせられるようなところまではならないかな。

脚本の難を挙げればキリがないが、まず高島忠夫演じる一般人の主人公が、(第一発見者だとしても)この国の存亡に関わる一大事に何故大きな顔で関わっているのか理解できない。
そして敵であるはずのムー帝国も、科学力があるという設定の割には古代文明のような生活に見える。
SFのくせに舞台のイメージが先行しすぎて世界観の構築がなっとらんのですよ。
おかげで子供だましの映画にしか見えないんだよなあ。

特撮は轟天号に関してはなかなか見応えがあって良い。
主に2メートルほどの模型を使っていたようだけど、それがそれなりの迫力を引き出しているかな。
海面上昇から空中飛翔まで行くところがカッコイイが、南海で孤立していた軍人だけでこんなものを作るとは、帝国海軍は侮れませんなw

割と迫力のある海底軍艦に対して、怪竜マンダは操演丸出しの動きがひどい。
頭の造形もどこか安っぽいが、それが味というならばそうなのかもしれないけど、個人的には微妙かなあ。
満を持して登場する割には、あっという間に凍らされるしねw

最後には海底軍艦はムー帝国の心臓部に突入して最後の大打撃を与えるわけだけど、これで一つの文明を滅ぼしてしまっているというのは少々残酷な話のようにも思えてきました。

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