監督、北野武は自分の得意なギャング映画を封印したが為に、色んなジャンルの映画を模索する。

庶民映画に恋愛映画、恐怖映画にSF…と様々なジャンルを試す様が面白い。
作品作りの苦労をギャグにすることを作品に出来る監督は少ないし、ある種の自虐をもった自己解体という作業すらも作品にしてしまうところが、商業主義から外れた監督の成せる技なのか。

中盤までは次々と話が展開するので小気味良いし、コンスタントにオチもあるので楽しめた。 ただ結果的にメインとなる隕石からのくだりは、そこまでのテンポとまた変わってしまったので、「あれ？」という感じだったかな。
いかにも“ビートたけし”らしいギャグなのではあるが…。 特に井手らっきょ演じる井手博士（らっきょの本名は“博士と書いてひろし”）がトんでるキャラで、そこで置いていかれてしまいましたｗ
江守徹も怪演してたなあ…。

ラストで今までの全てを吹き飛ばしてしまうところに北野武は何を込めたのか。
「そんなウケ狙いの作風なんて知らねえよ、自分は自分だ」との気持ちなのだろうか。

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