シネつう!
JAPAN STYLE !!

カラスの親指
2012年制作

満足度:

道尾秀介の同名小説を基に、成り行きでコンビになった二人の詐欺師がある事情から追い詰められ、得意の詐欺で反撃に打って出る姿を、阿部寛と村上ショージのW主演でコミカルに描いた作品。

詐欺師映画というと「スティング」が思い浮かぶけれど、そこまで恰好の良いものではなく、どちらかというと人情コメディの様な雰囲気の作品。
プロットとしては敵に対して詐欺で反撃するというありがちな展開を用いて、そこを凸凹コンビの連携で魅せるという流れが最初から目に浮かぶ映画なのだけど、これが最後にもう一捻りある話になっていて面白い。
それが無かったらありきたりな映画で終わっていたけど、そのオチによって話の全体が締まったし、タイトルの意味も含めて心の温まる詐欺師映画になったね。

ただ、村上ショージは主役を張るには少し演技が拙い。
でも頼れる雰囲気のタケ役の阿部寛に対して、愛嬌のあるオッチャンという雰囲気のテツには村上ショージのキャラクターはバッチリはまってるからなあ。
最後まで観れば、おれはテツ役は村上ショージで良かったのだと思った。

上映時間は160分。
これは序盤にある人間関係や状況説明が重要な伏線になってくる話なので、必要な長さでしょう。
3人の居候との疑似家族的な日常もちゃんとテーマの一つだし、そういう意味ではこの長さでもあまり贅肉のない、良くまとまった作品だと思う。

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