シネつう!
JAPAN STYLE !!

風の谷のナウシカ
1984年制作

満足度:

宮崎駿の2作目となる長編アニメーション。一度文明の滅びた世界で腐海や蟲といった人間を寄せ付けない存在と共存する人々を描いたSFファンタジー作品。

人生で何十回と繰り返し観た作品なので、思い入れが強すぎる部分もあるんだけど、やはり何回観ても飽きずに見入ってしまう。
正直に言うと、この作品が公開された後にも連載が続いた原作はさらに話が膨らんでいったので、比較してしまうといささか触りの部分すぎて物足りない部分もある。
それでも2時間という時間の中で、世界観も物語も演出も、当時のアニメを取り巻く環境から考えればこれ以上なく大人の鑑賞に堪えうる作品じゃないか。
“自然と人間の関わり”や“文明の破壊と再生”といったある種の普遍的なテーマを取り込んだストーリーは、公開から四半世紀を過ぎた今でも全く古びていないというのも大したものだと思いますわ。

テーマには反自然破壊や反戦といったものが含まれているにもかかわらず、トルメキア軍の侵攻やアスベルやナウシカの空中戦はダイナミックで格好良く、実に見応えがある。
空間の使い方が上手いよ。
空を飛ぶことや、その描き方についての思い入れをものすごく感じますわ。
でも何と言っても良いのは展開のセンスだよね。
特殊な世界観を感覚で理解させてしまう冒頭や、シリアスと漫画的な演出による話の緩急の付け方が絶妙なんだよなあ。

色んな意味で、若かりし宮崎監督の漲るパワーが伝わってくる気がする作品ですw

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