銃刀法違反で収監された主人公ハナワの目を通して描かれる刑務所での日々を描いた作品。

普通、刑務所物の映画と言えば、囚人同士の軋轢、暴虐不尽な看守達との闘い、脱獄劇といったドラマティックな展開があるもの。
でもこの映画は違う。
刑務所内での穏やかな一日、一年を淡々と描いていて、ある意味何の山場もない映画。
でも山場はないのに面白い、刑務所映画としてはかなり異色だと思う。
まあ、本当の刑務所の中がここまで穏やかだとは思わないけど、このハナワという人物の性格からか、居心地が良さそうで何となく幸せそうなのがまた微笑ましい。

淡々と過ぎる日々の中、囚人達の楽しみのほとんどが“喰うこと”であるように描かれる。
正月に出るメシを想像しながら幸せそうに語る囚人達、集会で食べられるアルフォートをうらやましがる囚人達。
普段、食にそんなにこだわりのない俺も、挿入される配給食のメニューを見ていると“旨そう…”と思ってしまう。
刑務所の飯が“臭いメシ”だなんてのは嘘ですな。
ほんと、観ていると一回食べたくなるくらいｗ

しかし、懲罰房に入ったハナワが生き生きしているのは面白い。
彼には懲罰になってないわｗ

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