シネつう!
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麒麟の翼
〜劇場版・新参者〜
2011年制作

満足度:

東野圭吾の同名小説を原作に、同じく東野圭吾原作でドラマ化された「新参者」の劇場版作品。
東京・日本橋の麒麟像の前で死亡した一人の男。
日本橋署の刑事・加賀(阿部寛)は証拠物件を元に被害者と加害者の足取りを追う。

小説もTVドラマ版も未見の状態で観たけど、この映画単品ですんなりと話に入ることができた。
まあ多少は映画以前の人間関係を知っていないとわかりにくい部分はあったけど、さして問題ではないかな。
メインとなる殺人事件にまつわる被害者親子のドラマが良い話に纏まっていると思う。
一部ミスリードさせる仕組みの強引さ(警察が持っている第一容疑者・八島(三浦貴大)の顔写真は何であんな表情なんだよw)や都合のいい偶然が気になる部分もあるけど、ドラマにちりばめた謎や、基本的に足で稼ぐ刑事モノの風情は素直に楽しめたしね。

個人的には、中学校の教師(劇団ひとり)が主人公に「それが分からないようだったら教師をやめろ!」と問い詰められるシーンが最も熱かったかな。
教師がつぶやく「子供たちの将来のために…」という間違った責任感もなんとなく分からんではないが、結果的に悲劇の遠因になった事を考えれば、加賀が言うことは正論過ぎるとは思う。
そういう部分でのやるせなさは心に残りますね。

それにしても最後まで見ると、主演の阿部寛よりも助演の中井貴一の方が印象に残る映画だった。
役柄的にそういう立場だけど、ああいう良い人という佇まいを演じさせたら中井貴一は良いなあ。

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