シネつう!
JAPAN STYLE !!

寄生獣
2014年制作

満足度:

岩明均の同名マンガの実写化した、パラサイトに右手を乗っ取られた主人公・新一の運命を描いたSF前後編の前編。

マンガの実写化は正直言って失敗作が多いので、不安半分で観ることが多い。
この作品もそういう不安があったけど、原作の骨子を保ちつつ、割と上手く話を纏めてきた印象。
新一の父親や宇田とジョーがいなかったり、最初の戦闘が犬でなかったりとか諸々違うけれどね。
そこは尺という制約がある以上、ある程度纏めてしまわないと仕方がないところだと思うし。
そういう点で、母親を旅行先でなく、家の近所でパラサイトのAに殺させたあたりは、なかなか悪くない集約だと思ったかな。

一方で寄生された新一がミギーを受け入れるまでの描写は、どうも段取りが足りないようにも思う。
一体何なのかも分からないような…変形する右手の非常識な生き物を、人はとかく簡単に受け入れるものなんだろうか?w
まあそれを気にすると話が進まないし、その点を悩む話ではないわけだが。

キャストは原作のビジュアルに似せるというよりは、キャラクターの印象からくる部分で悪くないキャスティングだと思う。
ミギーの声も原作からイメージする男声という面では阿部サダヲの感じは良い。
ただミギーのセリフに抑揚というか感情がだいぶ乗っかってしまうと、どうもフレンドリーすぎるというか…。
物語の序盤であるこのあたりでは、もっと利害を共にするだけの共生者として、ある程度のドライな感じなのかとイメージするのだけど。
まあこの辺は監督や演者が、原作をそう解釈したということだろうか。
映画としては、終盤はダークヒーロー映画のような雰囲気すら漂わせてきて、なんかちょっと意外な感じでニヤニヤしてしまった。

最後に一言。
相変わらず佐藤直紀の劇判は主張しすぎですw

もどる(カ行)

当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01