シネつう!
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攻殻機動隊 新劇場版
2015年制作

満足度:

2013年から順次製作された「攻殻機動隊 ARISE」シリーズの完結編。
大使館占拠、そして首相暗殺の同時テロが発生。
草薙素子率いるチームはその真相を暴くため操作を開始する。

正直「ARISE」シリーズはチーム結成に至るまでの話だったため、4話目のborder:4(とTVの「PYROPHORIC CULT」)を除けば「何からしくないなあ」という印象だったのだけれど、やはりメンバーがそろっての操作やチーム戦がしっかり描かれるととたんに面白くなる。
そういう意味でこの作品は自分の想像する「攻殻機動隊らしさ」が十分に出ていたと思ったし、実際に楽しめた。
ワンマン隊長の少佐が次々に出していく電脳通信での指示、パワータイプのバトー(しっかり目を盗む)、情報処理のイシカワ、狙撃のサイトー(ARISE以前よりちょっとキャラが変わったけどこれもまた良し)、パズとボーマもちゃんと存在感あるし。
そして1人生身でボヤく新人トグサw
少佐が「最高のパーツ」というセリフで表現するメンバへの信頼感が、これまたらしくていいよね。

電脳化した人間の魂の在りかや肉体の定義などを語る哲学的テーマの押井版や、薬害や高齢化などの社会問題からのアプローチをした神山版と比べると、本作はその中間的な按排か。
義体のバージョンアップ問題(デッドエンド)自体は、それこそ原作にもない話だったのでうまく作ったなあと好印象。
このへんは脚本の冲方丁のセンスもあるだろうけれど、硬いテーマ性というのもこれもまた「攻殻機動隊らしさ」の一つだよね。
ファンが期待する色んな要素を2時間できっちり描くのは大変だったろうけど、この映画は上手くやりきったと思う。

「ARISE」で決着のついていなかった501機関との因縁もしっかり決着。
なのでやはり単独の映画というよりは「ARISE」の続きなんだと思うんだけど、エピローグで押井版「攻殻機動隊」のオープニングを丸々オマージュしたのは面白い。
台詞やキャラこそ微妙に違うけれど、カメラアングルなんてまんま真似してるもんで、思わずニヤニヤしてしまったw
まあ「ちょっと目配せしすぎなんじゃ…」という気もするが。

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