シネつう!
JAPAN STYLE !!

コクリコ坂から
2011年制作

満足度:

少女漫画を原作に、昭和30年代の横浜を舞台にした少年少女の青春ドラマ。
宮崎吾朗2回目の監督作品。

監督の前作「ゲド戦記」のことを思えば、話の描き方などは普通に観られるものになってる。
脚本を宮崎駿が書いていることも大きいだろうか。
ただ話を進めることに正攻法すぎるきらいはあるけども。
逆に“アニメだからこそ生きてくる表現”というのはあまり感じられないかな。

筋としては少年少女の恋と、カルチェラタンと呼ばれる古い建物の取り壊しに関わる話の二本立て。
前者は禁断の恋的な様相もあって「ああ少女漫画だな」と思うところもある。
個人的には後者の方が気になるのだけど、明らかに学校という体制と闘争する学生達の情熱を描いているところに、東映動画で組合闘争をしていた駿氏の若き日の思い出の投影が見て取れたね。
個人的には…「若者はもっと情熱をもって未来に立ち向かうべきだ」という老人の説教にしか見えなかったけどw

話としては悪くないけど、オチの付け方としては少し盛り上がりに欠けるので、物足りないというのが率直な印象。
それに、ファンタジー色が一切無いのも観客が求めるジブリ的なものとはちょっと異質かな。
闘争や、昔の横浜という世界観から、子供よりも一定の年齢層以上の観客には受け入れやすいかとは思った。


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