シネつう!
JAPAN STYLE !!

黒い十人の女
1961年制作

満足度:

9人の愛人がいるTVプロデューサー・風松吉。
ある日、愛人たちと松吉の妻は共謀して松吉の殺害を計画するが、それを知った松吉は逆に妻へ狂言殺人の話をもちかける。

内容的にはブラックコメディというか、笑えると言うよりもある意味コワい内容。
クセのように女に手を出す松吉のだらしなさも大概だけど、愛人達の女性的な情念というかそれでいて協力して復讐しようなんてする様は…。
ただ彼女らがほんとに実行することはないので、その辺は理性的な話でもあるけど、最終的には飼い殺しにしてしまうのだからやっぱり女はコワいなあw

社会進出しだした女性達と、まだまだ男社会だという構造自体をネタにしているのは時代性があって妙なリアリズムを感じる。
一方で、幽霊に事を語らせたりというフィクショナルな状態を渾然一体にしているところも面白いかも。

この映画でやはり目を惹くのは画面構成の取り方で、市川崑監督のフレームセンスが如何なく発揮されてますね。
シネスコ画面で人物が右(または左)半分だけに収まって反対側は空間のみとか、人物が妙なところで見切れているとか、意図的にやっている構図はやっぱり惹かれるものがあるかな。
白黒映画だというところも効果に寄与してるのかもしれない。

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