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戦争で四肢を失い、言葉もしゃべれなくなった夫が、生ける軍神として家に帰ってきた。
その世話をする妻の姿を若松浩二監督が描いたドラマ。
ビデオ撮影の様な画質のせいか、今少し安っぽさのある美術…。
予算の少なさが如実に感じられるものの、それでもほぼ自主制作で撮りたいとしたのは監督の熱意の表れなんだろうか。
冒頭から主張全開なのだけど、個人的には今一つ乗れない。
こんな姿になっても夫であり軍神であり、色んな意味で下の世話をする妻の状況が強烈だが、これはひとえに寺島しのぶの演技の賜物であって、そこを差し引いてしまうと…状況ありきの物語が主張しすぎてて、どうもなあ。
"軍神"とそれを生み出す空気や社会を皮肉った反戦映画だよね。
確かに後半は、画面に怨念に近いようなオーラが漂ってくるので、その辺の情念がすごいとは思うのだけれど。
ただ、反戦を訴えるにしても、エンドクレジットの歌が原爆の事であることや、注釈の様に入る枝葉の映像がメインのストーリーと微妙に絡んでないようだし、どうもちぐはぐな感じが残る。
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