シネつう!
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劇場版 境界の彼方
-I'LL BE HERE- 過去篇
2015年制作

満足度:

TVアニメ「境界の彼方」の全12話を約90分に纏めた総集編。

主人公・神原秋人と栗山未来の出会いと別れ、そしてその顛末を総集編として駆け足で纏めた形だけど、かなり荒い。
そもそも2部作で作られて、TVシリーズのその後の話として用意された「未来篇」の前振りという性格の作品なので、それを割り切って編集しているのだろうが…。
それにしても2人以外の人間関係に関する説明描写はことごとくカットされ、妖夢はともかく異界士や妖夢石、虚ろな影などの世界観説明もほとんど無し。
いくら「ファンしか観ない」作品だとしても乱暴すぎやしませんかねえ。

世の中には物語ベースで破綻のない程度に纏められた上手い総集編や、展開が飛ぶ場面はナレーションで補うなどの苦肉の策、もしくは進行自体を回想にしてしまうなどの方法があるけど、この作品はそんな小細工も放棄した、ただの“ダイジェスト”でしかない感じ。
まだTVスペシャルならいいけれど、ハッキリ言って「手軽にTV版を纏めて入場料を取って、新作『未来篇』の製作費を少しでも回収しよう」という思惑が透けて見える様で複雑。
(冒頭で「境界の彼方」討伐という真の目的を出したり、多少構成の工夫はあるけどね。)
まあ作画のクオリティは元から一級品だし、劇場で観れば音響の良さも手伝って、それなりにクライマックス集として楽しめはする場面もあるけど…、だとしてもやはり駆け足なのはマイナス。

で、エンドクレジット後にその後の新展開…「未来篇」への繋ぎというわけですが、この数分の前振りのために80分以上もダイジェストを観ていたのかと思うと…(苦笑)


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