シネつう!
JAPAN STYLE !!

嫌われ松子の一生
2006年制作

満足度:

愛を求めて様々な男性と付き合い、そして転落していった主人公・松子の一生を、「下妻物語」の中島哲也描いた作品。

「人生って何だろうな」って思ってしまうw
主人公はただ「人から愛されたい」という気持ちでいっぱいだった。
きっとそれは“父親の愛は妹にしか向いてないんだ”という子供の頃の飢えが、松子をそういった方向に行かせたんだろうけど。

松子の転落っぷりは、まじめに考えれば壮絶で悲惨。
最後の殺され方なんて、ねえ。
でも話が暗くならなくて、それどころか観た後に何となく爽やかな気持ちになってしまうんだから不思議。
普通に考えたらこんな救いのない話を見せられたら滅入っちまうよ。

やはり中島監督の演出の冴えってヤツなんだろうけど、その感覚は見事だね。
特に導入部での“片平なぎさ”ネタは、話に引き込むという点で上手いことやられた。
おもしろいわw
中盤は松子メインのミュージカル風もあり、終盤は甥の目線で松子の最期を描く。
全編飽きさせないねえ。

松子の求めているものは単純だけれど難しいものだった。
最期もろくな死に方じゃない。
でも本人も気づかないところでも、彼女の事を想ってくれる人はいたのだから、そこに救われた気はする。

そして、(死んだとしても)最後に「ただいま」と言えて良かった。

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