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前作から5年後を舞台に、夕日町三丁目の人々の生活を描くノスタルジードラマ。
今作では鈴木オートの六子と淳之介の巣立ちが描かれるわけだけれど、親子という家族愛のベタなドラマが主軸。
が、そのベタさこそが本シリーズの魅力だと思うので、そういう意味では安定感のある内容だったかな。
まあ、両者とも親子関係にある相手は本当の肉親ではない疑似家族だというのが少し特殊だけれど、シリーズをここまで観るとその情は親子関係そのものだろうというのは納得する。
さすがに六子の結婚を許す許さないを、鈴木オートがどうこう言うのは筋が違うだろうとは思ったけれど、劇中でちゃんとそこにツッコミが入ったので一安心w
ただ茶川の行動に関して、終盤に淳之介に対してうった芝居については少し疑問だったりもする。
茶川と淳之介は明らかに境遇や才能が違うわけだし、果たしてそこまでする必要があったのか…。
一見、茶川の決意の表れとして感動的な場面には見えるのだけど、俺には不器用すぎるようにしか感じられなかった。
確かに茶川は不器用なキャラクターだとは思うけれどね。
グラフィックスはよく出来ている。
夕日町から東京タワーにかけてや、銀座のあたりの合成もあまり違和感なくていい感じ。
ただ、せっかくの3D映画の割には、3Dであることの意味を感じるような映像はなかったかな。
冒頭で東京タワーが飛び出してきたり、中盤で手前を飛ぶトンボなどに気づいたくらいのもので、映像表現として3Dを生かし切れてはいないかも。
あと'64年を舞台にしているけど、キーワードや雰囲気だけで"オリンピック気分"を表現して、実際の競技場の再現とかが出てこなかったのは意外だった。
まあ三丁目の話だからそこまで広げる必要はないので、それは自重して正解だと思ってます。
ブルーインパルスが空に描く五輪の再現だけで感動はできる。
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