シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版 暗殺教室
365日の時間
2016年制作

満足度:

TVアニメ版「暗殺教室」の劇場版・総集編。
TV版最終回で描かれたエピソードの前日、7年後の教室にやってきた渚とカルマが殺せんせーと過ごした日々を回想していく。

TV版の最終回のBパートは7年後の教室を掃除するクラスの皆の姿ががかれるけど、そこには参加していなかった主人公格の渚とカルマが、実はその前日に教室でかつての日々を語り合っていた…という構成。
まあTVアニメの劇場版ではよくある総集編映画なのだけれど、最終回の別パートの様にして回想させるあたりは、一応TV版の延長としての機能は果たしているかな。
黒板の落書きとか、TV版最終回の時は知る由もなかった「誰が描いたのか」が明かされたりと、ちょっとしたところのつなぎ方は嫌いじゃない。

とはいえ良くも悪くも総集編ではあるし、しかも「原作を読んでいる事」もしくは「TV版を観ている事」を前提とした完全に割り切った内容なので、これが初見という人はなかなか感情移入しにくいだろうと思う。
あと渚とカルマの回想なので、それこそ彼らの出会いと決着は総集編形式で触れられはするけど、もうその他のエピソードはバッサリ。
凄い割り切った構成で、内容はほぼ最終回の振り返りがメインといった印象でした。
確かに最終回近辺は「暗殺教室」のテーマやキャラの関係性が結実し、そして完結した見事な展開なので、ここを外せはしないだろうけれど…“総集編”というにはちょっと偏ってるなあw

でも“渚とカルマが回想すれば”というテーマを考えればこの内容で正解ではあるか。
(最終回をリアルタイムで観た前提で)考えると、観客としての自分も、半年前に観た殺せんせーとの別れの場面の事を思い出して少し胸が熱くなってしまった。
ファン向けにそういう追体験をさせる仕掛けとしては良いんじゃないかなあ。
ただ、本当にこれは完全にファン向けの構成。
殺せんせーと生徒たちの時間をかけて積み重ねた絆を知らないと、実に入り込みにくい演出だと思う。


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