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身分を隠して訪伊した外交官・黒田(織田裕二)。
彼は図らずも邦人少女の誘拐事件に巻き込まれ、犯人グループとの接触を試みるが、犯人達の目的は身代金ではなかった。
序盤の雰囲気は悪くないものの、警備会社の中枢に入るあたりからどんどんTVのサスペンスドラマの様な安っぽいところに落ちていく。
やはり犯人達の遠回しな犯行の手口、現実感に乏しいイタリア警察達との対峙、警備会社のセキュリティなど、話のキモとなる部分で設定の詰めが出来ていない。
最初から警備会社狙いなら、セキュリティ担当の家族でも拉致すればいいのに。
時間内にそこにたどり着くか分からないにも関わらず、何故に邦人誘拐という手段を取ったのか、という部分に説得力が足りないよなあ。
もし黒田がこの事件に関わらなかったら、犯人達はどうするつもりだったのか。
メインタイトルの割に、“アマルフィ”がスケジュール変更に伴う時間稼ぎのための場所っていうのもいまいちです。
そもそも、舞台がイタリアである意味が乏しいし。(それを言っちゃおしまいかw)
監督はTV出身の西谷弘だけど、彼の前作「容疑者Xの献身」を観る限りは良い撮り方をする監督だと思う。
ならこれはひとえに脚本上の設定の甘さが原因か??
(真保裕一の原作はもっとまともなストーリーらしい。
となると脚本家に改悪されたわけになるが、この映画はなぜか脚本家がクレジットされていない…。)
役者では、織田裕二はキャラクターは悪くないがいつもの通りの演技。
天海祐希はヒステリックなキャラクターで損をしている?
まあ我が子を誘拐されれば取り乱しはするだろうけど…。
佐藤浩市も、やっぱり佐藤浩市だったなあw
逆に、個人的には大使館の研修生役だった戸田恵梨香が、黒田に振り回される感じを上手く出していて良かった。
悪い人じゃなさそうな大使館員役の佐野史郎もいい感じ。
まあ色々書いたけど、お金のかかったTVのサスペンスドラマと思えば観れる内容ではある。
そんな感じかな。
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