シネつう!
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ヱヴァンゲリヲン
新劇場版:破
2009年制作

満足度:10

「新劇場版:序」に続く、ヱヴァンゲリヲンの新しいストーリー。
4部構成の2作目。

旧世紀版(TVシリーズ・旧劇場版)でいう第八話から第拾九話にあたる部分であるが、設定が大きく変わっていたね。
旧世紀版を知っているほど、事前に予想していたストーリーのさらに斜め上を行く展開があり、本当に度肝を抜かれた。
人間味が次第に現れ出すレイ、人と関わることにポジティブになったアスカ、そしてレイのために自分を投げ出してまで救いに行こうとする熱血シンジ。
旧世紀版が常に“絶望”や“死”を感じさせる何かがあったのに対して、今作は作風として非常に“生”を感じさせる前向きなモノになっていると思う。
が、さらに3号機事件でのアスカの扱いがあり、あまつさえゼルエル戦でサードインパクトまで起こしてしまうとは…、それは全く予想だにしていなかったわ。
「この先どう収拾するつもりだ!?」と、観ながら先の読めなさすぎる展開に呆然としつつ手に汗握ってしまった。
旧世紀版を観てるからこその興奮だろうけど、ここまで「見事にやられた」と感じる映画は少ない。

鷺巣詩郎の劇判はあいかわらず絶妙な出来。
ビーストモード(!)の劇判は予告編でも使われていたけど、盛り上がってたまらない!
しかし逆にバルディエル戦で流れた「今日の日はさようなら」の使い方は唐突すぎてビックリしました。
そういう音楽的な挑戦はエヴァらしいと言えばそうだけど、まあ、予想の範囲を超えているw
歌詞を考えればしみじみと心に訴えるモノはあるが…。
終盤の「翼をください」にまでなると、慣れてしまったのかすんなり受け入れてしまったけども。
確かに場面には合ってると思えるしね。

新キャラのマリは、「生きてりゃいいことあるサ」という思考に見える姿がこの世界にあっては特異で面白いが、まだ他のキャラクター達と関わり切れていない分だけ浮いている印象がある。
これは続編での描き方に期待かな。
そういう意味では、エンディングでとうとう降臨したカヲルについても同じ。
意味深な言葉を吐き続けたカヲルには、その収拾をしてもらわねば。

次回公開の2作でとうとうクライマックスを迎えるこのシリーズ。
先の展開を予想することは非常に楽しいけど、でもこの「ヱヴァンゲリヲン」に関しては、きっと俺の予想の範囲には収まらないだろうから、もう俺は予想することは止めますわw


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