シネつう!
JAPAN STYLE !!

R100
2013年制作

満足度:

時と場所を選ばず現れるSMの女王様。
そんなSMクラブに入会した男の姿を、シュールとメタを織り交ぜながら描いた松本人志監督4作目の劇場公開作品。

前作の「さや侍」で少し見直したのに、また妙なシュールの方向に戻ってしまいガッカリ。
作品として何かを物語るというよりは、その場のシュールな空気を楽しんでいるだけで、「大日本人」や「しんぼる」の悪いところだけが残っているような印象すら…。
松ちゃんが好きそうなネタだというのは分かるのだけど、"こんな出演者がこんなことをしてる"という内輪に近い部分が、楽しさとして観ている側には伝わってこない。
おそらく現場は楽しいのだろうし、カメラの反対側で笑いをこらえながら撮っている監督の姿が想像できるような気もする。
でもそれで終わってしまっては、やはりただのコントなんじゃないかな。

上滑りし続けるネタも、実は"それすら狙いなんですよ"的なメタ提示がもはや言い訳にしか見えなくて、なんか悲しくなってきた…(苦笑
「『ゆれてる?』ってあれ伏線なんですか?意味あるんですか?」
「いえ伏線ではないです…」
のやり取りの後に、松ちゃん自らが登場し、満を持しての「ゆれてる?」台詞。
あれって、たぶん渾身の笑いどころだと思うのだけれど…。

おそらく松ちゃんにしか撮れないものだと思うし、何かを表現しようという挑戦はすばらしいと思う。
でも観客に何かを伝えようという部分が、ものすごく独り善がりになってるんじゃないかと思うのです。
場合によってはそれも悪いことではないけれど、しかし。

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