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テレビドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」の続編である劇場版二部作の後編。
国会を占拠した尾形の革命行動に対して、SPの井上達は事態の解決を図るべく衆議院議場へ突入する。
TVドラマからの連続構成となったシリーズの最終章。
ここまでに提示された伏線をどう回収するのか、尾形の野望と大儀とは何か、伊達議員の目的は…など気になる要素がいっぱいで始まるのだけど、ふたを開けてみればさほど大したことはない。
現職の閣僚や首相の悪事を暴き、政治家の腐敗を糾弾するという中身は、政治不信の極まった現代的な話ともとれるけど、それがここまで引っ張り続けてきたオチかと思うと少し物足りないかなあ。
…あ、議場のセットはよくできてます。
前作の野望篇が勢いで突き進むアクション映画だったのとは打って変わって、なにか告発映画もどきになってしまったのも少し違和感がある。
最初からこの主張を言いたいがためにこれだけ引っ張ってきたとすれば、脚本家は結構な策士ですな。
忘れたころに繰り広げられるアクションシーンは、さすがに岡田准一のキレのあるアクションもあって悪くはないけど、リアルな話に持っていこうとする分だけ取ってつけた感が…ねえ。
毎度毎度、拳銃を構えているのに格闘戦の間合いまで近づいていく描き方も少々疑問なんだけどね。
まあ、岡田の体術あっての「SP」なので仕方がないけど。
話としては、伏線の内で回収されたのは半分、謎のままぼかして投げたのが半分といった感じ。
"巨悪は正体を現さない"といったつもりだろうけど、結局政治家が腐敗していることを言いたかったのか、警護官という職務のことを言いたかったのか、よくわからない。
伊達はどうなったのか、真の黒幕は何か、大半が宙ぶらりんのままになってしまいました。
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