シネつう!
JAPAN STYLE !!

ウマ娘 プリティーダービー
新時代の扉
2024年制作

満足度:

スマートフォンゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」を基にしたアニメシリーズの劇場版。
フリースタイルレース出身のジャングルポケットが"最強"を目指してトゥインクル・シリーズに挑む。
そこで出会った実力のある同期の中に、圧倒的な速さを見せるアグネスタキオンがいた。

「ウマ娘」に関してはゲームこそやっていないものの、TVアニメシリーズは観ていたのでその作品の世界観は理解しているつもり。
かつて名を馳せた名馬たちを美少女化して走らせ、その上で馬たちに起きた史実をうまく混ぜ込んで構成する物語の妙。
史実だからこそ胸を打つドラマチックな展開を観るにつけ、「面白いコンテンツを作ったもんだなあ」と感心した次第です。
ちなみに競馬に関しては20年前にちょっとやってたくらいで最近の馬の名前は殆ど知らないけど、「ウマ娘」シリーズに出てくる名馬たちの名前はさすがに知っている感じ。

本作の主人公はジャングルポケットで、キャラクターとしてはかなり勝ち気で直球な性格の人物になってました。
「最強になる」という動機に真っ直ぐなところが気持ちいいし、物語を引っ張るキャラとしてはいい感じかな。
まさに「俺よりつえーヤツに会いにいく」ってやつですね。

対称的なライバルとして登場するのがマッドサイエンティスト気質なアグネスタキオン。
これが同期最強で、ジャングルポケットの目標にもなるという構図がわかりやすい。
そして本来ならポッケがタキオンを倒すのが王道だとも思うのだけど、本作ではタキオンが早々に引退したことで、ポッケにとって「タキオンを倒せないままの最強」という引っ掛かりが生まれる。
そのあたり、自分は名前は知っていても元になった馬の運命は知らなかったので、なかなか興味深く観れました。
「自分は最強ではないのではないか」というポッケの葛藤は、直球型のキャラクターに深みも与えているよね。
ライバルの存在とどう向き合うのか、自分自身とどう向き合うのかは他のTVシリーズでもよく描かれている部分だけど、この劇場版もそのあたりにしっかり踏み込んでいて、登場キャラは違うけどシリーズとしてはしっかりまとまっているなと感じた部分でもあります。

劇場版ならではの部分としては、やっぱり競争心の迫力がTVシリーズに比べると力入っているよね、というところ。
CGだけではなくて作画でもゴリゴリ動かしているので迫力がすごい。
若干叫び声とかが絵に負けてる部分もあったんじゃない?と感じる部分もあるくらい(汗)
なんとなくトリガーのアニメでやってそうなエフェクトも随所に現れて「テンションの高い絵だなあ」と熱に当てられてしまいましたよw

史実ではタキオンは引退から復帰することはなかったそうだけど、この作品ではラストでそれとは違った形を垣間見せる演出になってますね。
そういう「if」があるところもまた「ウマ娘」の魅力でしょうか。


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