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大学進学の為にアパートに引っ越してきた主人公・椎名。
ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさんでいると、隣部屋の河崎が「広辞苑」を奪うために“本屋襲撃”の話を持ちかけてくる。
原作小説を知らずに観たけど、中盤以降の展開は想像していなかったので「そういうことかい」という驚きと共に観ることは出来た。
が、そこまでの1時間は辛かったなあ。
前半は一応コメディなんだろうけど、なんだか展開がモッサリしているし、正直しんどい。
河崎役の瑛太はやけに芝居がかった口調で喋るし「瑛太ってこんなに台詞まわしがヘタだったっけ?」なんて思ってしまったw
でも後半になってしまえば、それらの理由・辻褄にも納得はするんだけど、それはそれで話の中心に椎名が全く絡んでいないんだよね。
椎名と共にだまされた観客側はずっと外から話を眺めているだけだった。
回想だと思っていたシーンも、実は椎名の想像だった。
それも表現の手法であり、カタルシスを感じられれば何の問題もないわけだけど、どちらかというと小説向きのトリックで、実際に映像で観せられると多少強引さを感じたかな。
前半のしんどいところや物悲しいストーリーは、純然たるコメディと思って観始めた俺を余計にしんみりとさせてくれたけど、最後まで観ると作品としては悪くはなかったと思う。
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