シネつう!
JAPAN STYLE !!

悪の教典
2012年制作

満足度:

貴志祐介の同名小説を原作にしたバイオレンス作品。
生徒から慕われる英語教師の蓮実聖司。
しかし彼は自分の邪魔になる者は次々と抹殺してくサイコパスだった。

後半の殺戮シーンは三池崇監督の嗜好が存分に出ているように見え、散弾銃で次々と無残に撃ち殺されていく様は、凄惨を通り越して痛快にすら思えてくる。
主人公の行動原理は殺人自体が目的ではないように見えるが、邪魔な者を排除すること一点において曇りなく、冷静に計算して事を運ぶ様は異常だし、演じる伊藤英明の爽やかさが相まってさらに恐ろしげ。
これは色々な素材が上手くハマった作品ですねえ。

前半部分は主人公を排除行動に導くためのストレッサーや、学級・学校の日常が描かれて状況が説明されていく。
その辺も段取り良く見せられるので、後半の伏線になりそうなものがハッキリ分かる作り。
なので後半で色んな道具が出てきても唐突さはあまりないのだけど、逆にご都合さとは紙一重な部分もあって難しいところ。
もうちょっと目立つかと思った刺又やアーチェリーはあんまり活躍しない。

主人公でサイコパス役の伊藤英明は文句なし。
その生徒たちは概ね20歳前後の若手俳優ばかりだけど、高校生と言われても違和感はないかな。
ネタ的に淫行や飲酒などの話も出てくるので、バイオレンス描写以前にレーティングがR15+になったのは仕方がないのかなあとは思うけれど。

それにしても、セクハラ体育教師役の山田孝之は出番がほとんど無いのにインパクトのある演技だったなあ…。
まさかあそこでパンツの匂いを嗅ぐとは…w
三池監督らしい下ネタでもあり、そして見事にシリアスな笑いとして成功させている。
これは上手かった。

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