シネつう!
JAPAN STYLE !!

明日の記憶
2005年制作

満足度:8

若年性アルツハイマーと診断された主人公と、彼を支える妻の姿を描いた渡辺謙主演のドラマ。

後戻りの出来ない病気だからこそ、それとどう向き合って生きていくかの話になる訳だけど…、主人公は支えてくれる家族がいて、慕ってくれる部下がいて幸せな人だと思う。
でもそれすらも忘れていってしまうという主人公の現実は容赦が無い。

しかし「トリック」を撮った堤幸彦監督が真面目な作風で撮ったら、こんなに正攻法に良い映画が出来るんだねw

映画は前半が人間や会社関係を巻き込んだサスペンス調、後半が夫婦の姿を描いたドラマ調に雰囲気が変わるけど、そのあたりの演出も当を得ていたように思う。
バリバリのサラリーマンだった主人公が突然病気を自覚した時の衝撃や焦燥感は真に迫るモノがあったね。
渡辺謙は自身の経験もあってか、気合いが入っているのが伝わってくる。

次第に社会から離れていく姿は、記憶を無くしていくことの厳しい現実(しまいには忘れることを良いことに金をだまし取られているし…)が痛々しい。

ついには現在の妻を忘れてしまったエンディングは、オープニングで描いていたその後を考えると、やっぱり夫婦愛の映画なんだなあとも思った。 最後に涙をのんで笑顔を見せた樋口可南子演じる奥さんの、気丈に夫を支える姿勢には頭が下がります。
良い映画ですね。


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