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同名TVドラマの劇場版。
湾岸署の管内で副総監誘拐事件と猟奇サイト絡みの殺人事件が発生。
そして署内では領収書窃盗事件が…。
「踊る大捜査線」シリーズらしいケレンとギャグに満ちた快作。
しかし、そもそもTVシリーズの映画化作品なので、それまでの流れを知っていないと話にならない。
もちろん知らなくても話には付いてこれるだろうけど、“「踊る」らしい下らなさ”という流れが拾えるかというと難しいだろうか。
でも、「真面目な話の中に突如入るおふざけ」という作風は、知らない人のためにも冒頭でちゃんと提示されてるんだよね。
主人公・青島が早朝に張り込みをしている…と思わせて実は副総監のゴルフのお出迎え。
だから青島が死んだと思わせておいて次の瞬間にイビキとか、領収書窃盗犯の正体とか、全編通して下らない落差のネタがありますよ、そういう世界観ですよ、という提示が良くできていると思うんですわ。
だから事件の真相も大がかりな犯罪なんかじゃなく、ただの頭の悪いガキの仕業という落差がまた「踊る〜」らしいわけだ。
本店が気張ってあーだこーだ言おうが、実はそんな事件じゃない、という落差ね。
TVシリーズから続く警察上層部と現場の軋轢は本作でもメインで描かれるが、今回は特に「エヴァンゲリオン」のゼーレかと思わせるような暗い会議室の警察官僚どもがウザい。
言いたいこと言って、自分たちでは何も責任を取ろうとしない、サラリーマンモノで描かれる最もイヤな上司像w
若干強調し過ぎな気はするが、そこまでのケレンがあっての「踊る〜」か?
だからこそ名ゼリフ「事件は会議室で起きてるんじゃない!」が効いてくるわけだけどね。
そのケレンの積み重ねの頂点が、包丁で刺された青島が運ばれるシーンだけども、個人的にはあのシーンの和久さん(いかりや長介)の表情が忘れられません。
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