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「踊る大捜査線」シリーズの(スピンオフを除く)7年目の新作。
湾岸署から新湾岸署への引っ越しの最中、保管していた拳銃の紛失事件が発生する。
正直言うと、話はどうも盛り上がりに欠けて面白くない。
シリーズのらしさだった本庁と所轄の軋轢も描かれるものの弱めで、本庁のお偉方の法整備の陰謀も理解は出来るがピンと来ない。
なので室井の苦悩も浮いてしまってるかな。(というか室井はメインにほとんど絡まない。)
あと、「踊る〜」のスピンオフで広げた設定も取り込んでいるので、どうも色々と背負い込みすぎて自縄自縛に陥っている感もある。
あれもこれもと出そうとした結果の作り手の息苦しさ、そんなものを感じてしまった。
ただ、昔からこのシリーズは「リンク」と称して全作品に繋がる小ネタが散りばめられているので、そういう意味では「あれもこれも」も「踊る〜」らしさなのかもしれないが…、この作品で致命的なのはそれをメインストーリーでやってしまったことか。
あくまでサイドのお遊びとしてなら良かったのだけど、映画の1作目が密接にストーリーに絡む上に、本来レクター博士のパロディだったサイコキャラを真正面に据えられると、どうも話が暗く感じるんだよね。
個人的には、青島が「病気で死ぬかも」という流れと「封鎖された湾岸署」というプロットも、全体的な話の流れではブツ切り感があってどうも一本の話としては溶けきってない気がした。
真下が湾岸署に来た理由にしたって、オチのためだけに居させてるだけの様にも見えるし、パーツとしてはそれぞれ面白い話にも出来そうなんだけど…、もしかして脚本作りの時に個々の面白そうなネタを挙げて、それを強引に一つにしたのかもしれないなあ。
しかし、7年目の新作と言うことで同窓会的な雰囲気で楽しむことが出来た気はする。
サブタイの「ヤツら」の使い方も、ファンサービスな意味合いとして理解も出来る。
スリーアミーゴスのふざけた会見とか、スタートレックやボクシングといったお約束ネタは楽しめたしね。
まあ、雰囲気や小ネタ、そして個々のエピソードだけで楽しめそうなんだったら、映画ではなくて連続ドラマでもっとじっくりやればいいのに。
そんな風に思ったのも事実。
小栗旬が演じる新キャラの管理補佐官だって勿体ないよ。
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