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人と鬼が争いあっていた平安時代。
"救いの御子"として現代からその時代に呼ばれてしまった中学生の主人公は、否応なしにその争いに巻き込まれていく。
同名の児童向け小説を原作にしたアニメーション作品。
原作が児童向けの話なので、ストーリーの構造はわかりやすい巻き込まれ型主人公の体裁をとっている。
舞台が平安時代なのに主人公が現代の中学生というのは、読み手の感情移入を期待してるんだろうね。
個人的にはその辺はお決まりのパターンとして問題ないと思っているんだけど、妖術や物の怪が平然と出てくるファンタジー世界で、実在の歴史上の人物を配した上に「平安時代の考証をちゃんとやってます」的な見せ方は、何かアンバランスな感じに見えてしまった。
もちろん背景に世界観としての"平安時代"が存在するのは問題ないのだけど、これ見よがしに出てくるものだから悪く言えば説教くさく感じてしまう。
劇中の"鬼"という存在にしてもそう。
明らかに蝦夷として描かれるそれは"鬼"の解釈として面白いと思う一方、両者に言い分があって、悪い奴は一方的に侵略してきた側だというストーリーは、やはり説教くさい。
主人公が真の勇気に目覚めて悪者を倒すという構造は子供向けとしてはわかりやすくてアリなんだろうけど、個人的にはそういったフィクション中の事実に関する設定が合わなかったなあ。
テーマや構造的に近しい作品として「もののけ姫」や「アッパレ! 戦国大合戦」を観たことがあると、どうしてもこの映画は内容が物足りなく感じてしまいました。
作画に関しては、アクションシーンなどは割とよく動いているし良い感じはあります。
物の怪などの巨大感という点ではもう少しアングルを…と思うところもあったけど、まあそれは言うまいw
CG背景も割と多用されているので作りこみにこだわりが見える部分もあるしね。
あとは…そうだなあ、クセのある西尾鉄也のキャラデザが合うかどうか、くらいかな?
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