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伊丹十三の監督デビュー作。
女優である妻の父親の訃報が突然届き、葬式の段取りやら挨拶やらで戸惑う俳優の姿を描いたコメディ。
コメディとはいえゲラゲラ笑うような場面はないんだけど、いざ葬式という場面になって、経験のないことだからと右往左往する様子に共感する話なんだよね。
なので、あ〜確かにそうだよなあなんて思う場面は可笑しいし、素直に楽しめた映画ではある。
ただ後の伏線にもならない描写やサイドストーリーに余分な部分があって、個人的には疑問な場面も散見された。
例えば主人公が車を運転しながら、隣のレーンを走っているマネージャーの車にサンドイッチを渡すとかね。
“急いでいる”ということの表現?
にしてもどうだろうか。
何故か三角巾をしている看護婦とか、フランスのタイルの話とか、大風で宙を舞うお札とか、何故あえてそれかというのがよく分からない。
まあ、タイルの件は坊さんの生活を象徴しているのだろうけど、ロールスロイスだけで分かるのだからちょっと諄いかな。
一番余分なのは主人公の不倫相手の登場。
葬式の話なんだから、あの不倫話はあんまり筋にとけ込んでない気がする。
とは言え、全体的に見ると葬式の段取りからその様子まで興味深く見られたのは事実。
またちょっと勉強にもなった。
いつ何時やってくるか分からない“お葬式”のハウ・ツー物としても観ていて損はないのかもね?w
出演しているベテラン俳優達もさすがだし、監督デビュー作と思えば良い感じなんじゃないでしょうか。
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