シネつう!
JAPAN STYLE !!

イヴの時間 劇場版
2010年制作

満足度:

人型アンドロイドが家電として普及した時代。一般的にはアンドロイドは機械として扱われていたが、ある喫茶店「イヴの時間」では“人間とアンドロイドを区別しません”というルールが掲げられていた。

人間とアンドロイド(ロボット)の関係や、感情を得た機械の話というのは、それこそ古典SFからこっちでずっと語られてきたテーマなので、今更目新しくはない。
ただ、この作品は“ある空間でのみ対等である”という設定の下、主人公と店にいる人物(アンドロイド)たちとの間にあった微妙な距離感が、少しずつ埋まっていく様子が良い感じです。
日常の中のちょっとしたきっかけで少し話が進んでいく、そんな些細なSFだけど個人的には大いに好みです。
この劇場版は、元々Web配信用の1話15分×6話の作品の再編集であるので、それぞれのエピソードが並んでいるのは観ていて分かるのだけど、それでも違和感なくつながっているのも良いね。

キャラクターデザイン自体はリアル寄りだけど、度々アニメ記号が飛び出したりして最初はちょっと面食らった。
話の中心となる喫茶店は内部がCGで作られているので、カメラワークも自在で、実写寄りのカットだったり、かと思えば実写では不可能なカメラ移動などを見せたりとなかなか手がこんでおります。
シリアスと交互に割と細かいギャグも入ってくるので、その辺の緩急のセンスも割と好きかなあ。

物語上は、終盤にこの先の不穏な展開をにおわせる部分も少しあるけど、その辺をハッキリと解決させないのは続編を意識してだろうか。
まあテーマ的にはこの店の出来事で完結していると思うし、第1期の総集編としてはよくまとまった作品だったかなと思います。

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