シネつう!
JAPAN STYLE !!

男はつらいよ
寅次郎夢枕
1972年制作

満足度:

フーテンの寅さんが巻き起こす騒動を描いた人情喜劇シリーズの第10弾。

お約束の夢コントからニヤニヤ。
寅さんが柴又に帰ってすぐに「寅さんみたいになっちゃうよ!」のくだりでもうゲラゲラ。
とらやの面々との掛け合いはいつもの通りなのに、どうしてこうも面白いのか。

今作のマドンナは八千草薫で、寅さんの幼馴染の千代という設定というもあって、いつもの寅さんの「惚れた女の前で緊張しまくる」感じでなく、慣れた感じでちょっかいを出す分は少し変化球な感じか。
ただその千代に惚れる学者の岡倉に対する当初の当てつけは、だいぶ寅さんのイヤミな感じが出ていて、面倒くさい人間だなあと改めて認識した次第。
それでも恋の病で臥せった岡倉のために一肌脱ごうとするあたりは、やっぱり寅さんなわけだが。
ところが、その千代が選んだのは寅さんだったというところが切ないところです。
まあ、ああいう自然体で接する寅さんならと言う千代の気持ちもわからんではないが、寅さんも千代にあそこまで言わせて結局逃げちゃうんだよね…。
そこもどうなのかと思う部分ではあるけど、人間関係やタイミングというものは難しいものですなあ。

劇中、秋の風景と共にヴィヴァルディの「四季」から「秋」が劇判として使われている。
クラシックとは合わなさそうな作品だけど、これはこれで妙な味があって不思議。
とらやに下宿した岡倉は、大そうなステレオを持ち込んでクラシックを聴いたりもしていたが、くだんのヴィヴァルディを聴いたり、一方でワーグナーを聴いていたり、そうかと思えば山本リンダを口ずさんだり、なんか音楽指向はよく分からん感じであるw

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