シネつう!
JAPAN STYLE !!

男はつらいよ
寅次郎忘れな草
1974年制作

満足度:

フーテンの寅さんが巻き起こす騒動を描いた人情喜劇シリーズの第13弾。

序盤、寅さんではなく周囲の人たちが早合点して結婚話に喜ぶという変則ネタでつかみはバッチリ。
その後はいつものパターンでのオチが早々に展開されるので、今回の本題はそういう話じゃないというのはすぐにわかる。
それにしても相手と顔合わせするために、大阪の用事のついでとはいえ島根の温泉津まで着いてきてくれるタコ社長の付き合いの良さも大概だなあ。

という事でそれ以降が本作の本題になるわけだけど、内容的には4作前にの「柴又慕情」の続編ですな。
吉永小百合演じるマドンナの歌子の再登場と、その父親との和解がメインストーリー。
いつもながらの人情話っぷりは良い感じだけど、今回の寅さんはいつにも増してそのストーリーの狂言回しに近いと感じた。
寅さんの恋煩いやドタバタというお約束はあれど、あくまで歌子の物語だよね。
でもその歌子の決心のきっかけを作るという意味で、やっぱり寅さんは重要な位置にはいるが。

しかし毎度のことながらドタバタのテンポの良さは気持ちが良い。
一階で団らん中に二階から寅さんが降りてきて、その会話にいちゃもんを付けて飛び出していくというお約束。
そしてそのあと、歌子が津和野から東京に出てきたと知った寅さんが、彼女がとらやに来るってんで店の面々にいちいち指図する姿が最高。
特に「相手は旦那を亡くしてるんだから、『夫』とか『ダーリン』は禁句だ!」
「博、お前は即刻死ね!」
それを諫めようとするさくらに言い放った「黙れ未亡人!」の暴言には吹き出してしまったw
その後は…もうメチャクチャ。
この勢いの面白さが出せる渥美清は、やっぱり素晴らしいの一言に尽きる。


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