シネつう!
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男はつらいよ
寅次郎子守唄
1974年制作

満足度:

フーテンの寅さんが巻き起こす騒動を描いた人情喜劇シリーズの第14弾。

本作からおいちゃんが3代目の下條正巳に交代。
俺にとっては“おいちゃん”と言えばこの3代目のイメージかな。
1〜2代目の寅さんとの軽妙なやり取りとはまたちょっと違う味だよね。

本作は博が世話になった病院の看護婦さんに寅さんが一目ぼれしてしまうという話がメイン。
最終的にはそのマドンナに惚れた別の男の恋路を(図らずも)アシストし、寅さん本人は失恋ししまうという…まあ展開としてはベタ中のベタですな。
十朱幸代演じるマドンナのハキハキした感じはそれはそれで寅さんとはお似合いだとも思うけど、まあくっつかないのもお約束なので、ベタなりに話は楽しめます。

旅先の場面では唐津の港を舞台に寅さんが赤ん坊を押し付けられるくだりが描かれるけど、女房に逃げられたその赤ん坊の父を演じるのが月亭八方。
当たり前だけど若いなあ。
後半、とらやで事情の説明をする八方が落語調で語りだすくだりは、メタ的なネタで「男はつらいよ」にしてはちょっと珍しい気もした。

赤ん坊を連れ帰った寅さんの姿を見たとらやの面々が誤解して「結婚もしないで子供をこしらえるなんて情けない…」と涙する場面は、未婚の父に対するその時代の価値観を感じるね。
寅さんの普段の行いもあってか、変な所で信用されてないなあ(苦笑)
御前様にまで思い込みで怒られるなんて…というか冒頭でも寅さんをイジってたし、本作の御前様は気のせいか何気に人が悪い?

個人的に一番面白かった場面は、寅さんが赤ん坊をダシに病院に行こうとする場面で、とらやの面々と繰り広げるコントなやり取り。
最後に肝心の赤ん坊を忘れていくところまで読めるんだけど、分かっていてもやり取りは面白かった。
出がけの際の挨拶にあーだこーだというのはもはやイチャモンだけど、いやはや寅さんらしいわw

エンディングは例の赤ん坊の様子を見に、寅さんが再び唐津に来たところで終わり。
傷心の寅さんも赤ん坊の笑顔に癒されてますね。


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