9
TVアニメ「うる星やつら」の劇場版第2作。
何故か終わることなく繰り返される友引高校文化祭の前日。
異変に気づいたサクラと面堂は、事に無関心な諸星達と真相を探る行動に出る。
“虚構と現実”という、この後の押井作品で繰り返されることになる大命題が思う存分描かれた最初の劇場作品。
「うる星やつら」という体裁を取っていながら、もはやその枠を飛び出した押井ワールドの展開っぷりには、観ている方も翻弄されてしまいましたわw
「今、この楽しい時がずっと続いてくれればいいのに」という思いは分かるし、その分、表面的なストーリー以上にこの話に共感してしまうかな。
それが繰り返される文化祭前日という虚構世界で、ある種の謎解きを絡めると同時に「時間なんてものは…」と哲学じみた問いかけまで投げかけてくる。
ほんと、ドタバタギャグアニメとは思えないテーマだよなあw
でもそれをギリギリのバランスで成立させてしまっているのが、この作品を押井作品の代表作と言うところだと思うけど。
基本的に夢オチは禁じ手だと思っている俺ですが、この作品は夢オチだからこそテーマが成立する作品。
そして映画だからこそやれたとも思えるスケールです。
好きにやってここまでの物を作ってしまう押井監督はやっぱり凄いと思いますね。
ところで映画のタイトルがエンディング近くでようやく出てきますが、よく考えればサブタイトル自体がネタバレですね。
だからこそこの位置なのかも知れませんがw
もどる(ア行)
当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01